Post #94 平成31年4月1日に改正文化財保護法が施行され、文化財活用の時代の幕が開いた。これまでは「文化財の文化的な価値の向上」を目的に文化財の保存修理・継承が行われてきた。今後は、これに加えて「文化遺産(文化財を含む)の文化的意義を顕在化」して地域再生につなげることを目的に、文化遺産の活用に取り組んでいく必要がある。また、先人は現代社会に文化遺産を残したが、その現代社会は新たな文化遺産となるべきものを生産しているとは言えない。私達の世代にも、伝統構法の復活と普及、数百年を生きる建築や町並みの創造等に取り組み、未来の世代のために新たな文化遺産を産み出していく責任がある。しかし、文化遺産を活用し、新しく創造することで地域の歴史文化を未来に継承していく事業手法の開発そのものが緒についたばかりである。現在、こうした取り組みに見合った事業体は、日本社会に存在しない。文化遺産を巡るこうした時代の到来を踏まえ、文化遺産の活用と創造を推進する目的で、ここに本機構を設立する。調査し、研究し、模索し、事業展開することで、その理念と事業手法を日本社会に埋め込んでいきたい。 2022年10月1日 NEW! 国指定重要文化財「林家住宅」一般公開のお知らせ 一般社団法人 創造遺産機構 所在地 〒669-2325 兵庫県丹波篠山市河原町229番地3 電話番号 070-9195-3639 設立 令和2年(2020年)5月11日 代表理事 澤田 伸(ひょうごヘリテージ機構Founder/一級建築士) 理事 村上 裕道(京都橘大学教授/文化財建造物修理主任技術者) 尾瀨 耕司(神戸建築文化財研究所代表/文化財建造物修理主任技術者) 平宅 正人(株式会社しわく堂取締役/一級建築士) 才本 謙二(有限会社才本建築事務所/一級建築士) 金野 幸雄(国土計画家/コンセプター) 佐圓 拓也(文化経済ディレクター) 沿革 ■2019年4月1日改正文化財保護法の施行 ■2020年3月国指定重要文化財林家住宅(岡山県美作市)保存活用計画を策定 ■2020年 5月11日一般社団法人創造遺産機構(通称:HERITA)の設立 ■2020年10月19日同住宅の保存修理工事に着手 事業内容 民家等の未指定文化財から指定文化財まで、歴史的建築物の保存活用を一貫して担うことができます。 ・建物調査、耐震診断 ・保存活用計画の策定 ・保存修理工事の設計監理 ・活用工事(ホテル、レストラン等)の設計監理、事業者マッチング等 1. 国指定重要文化財建造物の保存活用 文化財建造物修理主任技術者が2名在籍、観光まちづくりの専門家が5名在籍しており、国指定重要文化財の保存と活用を一体的に実施できる国内唯一の法人です。 2. 建築遺産レスキュー事業 取り壊しの危機にある近代建築等を保存活用して、未来に継承する事業を展開します。 3. 文化財創造事業 将来は指定文化財になり得る建物を建設していきます。